木材の生産には長い年月を要します。

林業としての木は、
苗木を植えたのち植え替えもできないまま
数十年もの時を
厳しい自然環境下で生育することになります。
よって、林業の成否には
苗木そのものの素質が大きく関わってくるのです。

五和町で
樹苗(コンテナ苗、露地栽培苗)育苗に取り組んでおられるのが
「苗木やはらだ」さん。

苗木やはらださん1

センダン苗1

センダン苗2

春は苗木を山に植樹するシーズン🌱

苗木やさんの腕は、
植樹した後に結果が出てきます。

元気な木が育ち
天草の森のはたらきを高めながら
数十年後、
良い木材の生産につながりますように😌
山を眺めると
いろんな木が一斉に芽吹いて
山全体が明るく朗らかな感じのする最高の季節ですね。
まさに山が笑ってるよう!

広葉樹と針葉樹の違いもくっきり。
天草の山は
人工林が小さく点在しているのがよくわかります。
(林業的には厳しい

さて、熊本県といえば農業がさかんなことで有名ですが
じつは林業もすごいんです。

熊本県ヒノキ

熊本県の木材生産量は、全国で
ヒノキが1位!
そしてスギも、5位!

天草は、人工林に占めるヒノキの割合が
県下でもっとも大きい地域でもあります。

天草の気候風土で育った天草産ヒノキを「天草ヒノキ」と名づけ(そのまんま)
の発信と利用促進を目的に発足した天草ヒノキプロジェクトも
発足から6年目を迎えました。

個々の活動、
連携した活動、
コラボレーションもさまざまに生まれ、
業種の壁を超えて顔の見える良好な関係を築けたのが一番の成果でしょうか。
地域の力にもつながっていくように思います。

今年度も、無理なく楽しく、
林業と、その周辺の産業や職業技術を
少しでも盛り上げていけたらと思います。

目線は未来へ✨
大きなもみの木。
もみの木

クリスマスツリーでおなじみのもみの木ですが
その立ち姿は美しく、
樹高は20〜30mまで育ちます!

もみの木材は
調湿性や抗菌性はもちろんのこと(木材全般にいえます)
木肌は淡い黄褐色で
まっすぐにとおってクセのない木目には、安心感があります。

そして、ヒノキや杉のような特徴的な香りも特になく(弱く)
にもかかわらず悪臭を消す作用も確認されています。


ちなみに、一般に販売されている消臭剤や芳香剤は
悪臭の原因物質を覆って臭いを感じなくしますが、
樹木の精油成分は、科学的な反応で
悪臭の原因物質そのものを別の物質にかえます(臭いのもとをなくす)。
自然素材の消臭メカニズムってすごいですね。

***

「子供たちの明るい未来のために
家族が笑顔になる 
人と地球に優しい住まい 
それが私たちの願いです。」

このスローガンをそのまま実践されている野上建設株式会社さんの
お客さまミーティングルームがこちら。

野上建設さんミーティングルーム
入った途端に伝わってくる感じの良さ!
床も天井も"もみの木"が使われていて「子どもの反応が違う」のだそう。


野上建設さま

「みらいに笑顔を」の看板を掲げ
地域の建築を支える野上建設さん。
天草の木づかいに賛同いただく住まいづくりのみならず、
商業施設に公共施設まで、どうぞご相談ください。


森林に入ると、心身がくつろぎ、元気になると感じませんか?

天草の森林1

天草の森林3

天草の森林2

森林浴には、以下のような健康効果が期待できるといわれています。
・ストレスホルモンが減少する
・交感神経活動が抑制され、副交感神経活動が高まる
・血圧、脈拍数が低下する
・心理的に緊張が緩和し活気が増す
・NK活性が高まり免疫機能が上がる
(NK細胞=防衛機構として働く重要な免疫細胞)

緊張や怒り、疲労、混乱などのストレス状態が改善され、意欲やエネルギーの回復につながるのですね。

海が注目される天草ですが、林野率が66%と県全体平均を上回ります。
気候の良い季節、森林浴もおすすめです!


***

写真は、天草の人々や暮らしをテーマに撮影し活動する写真家錦戸俊康さんが撮り下ろした天草の森と人工林。
お出かけが難しい時は、写真を眺めて脳内イメージ森林浴も◎

「天草の森の写真館」

錦戸さんのご厚意でダウンロードもOK!
壁紙や待受画面で、天草の森をそばに。

***


天草ヒノキプロジェクトは、天草の木づかいをすすめています。

世界は不確実性に満ちています。
しばしば起こる思いもよらないことに、悲しみ、不安を覚えます。

一方で、自然が繰り返すリフレインー(「センス・オブ・ワンダー」レイチェルカーソンより引用)夜の次に朝が来て、冬がされば春になるという確かさーの中には、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあります。

天草ヒノキプロジェクトメンバー原田製材所は、製材だけでなく、植えて、育てて、伐採して、つかう(建物、家具、道具の材料としての木材)という森林資源の循環の全てを行なっています。
昨年種をとり、苗床をととのえて種をまき、草を取り、一年がかりで今年も強い苗木を育てることができました。
自然の力を借りて繰り返し行う小さな林業の営みの一工程で、しっかり育ってくれた苗木を、伐採跡地に植樹していきます。
種

苗床

芽生え

原田製材所


木は、野菜や果物のように1年〜数年では収穫できません。
木材の生産には数十年以上(杉ヒノキは通常50年)の時間を要し、このスピード時代にすぐに結果を出せない時間軸の長さが、林業の特徴の一つです。

不確実な時代にも、次の世代と未来に目線を合わせて、自然と共生できる豊かさや穏やかな暮らし、産業が続いていくことを願いながら、今できることを繰り返し行います。

世界が平和でありますように。

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